毎年、木版画の年賀状を楽しんでいましたが、定年を機に、本格的に木版画を始めました。腕試しで出展した茨木市美術展では、2年連続の教育委員会賞に続きに、昨年は市長賞をいただきました。1年かけた気の長〜い18色刷りの作品で、受賞はとても励みになっております。

また、最近、版画を通じ、元デザイナーの方々とも付き合い始め、先日も、彼らの作品展に出かけました。会場の片隅で酒の入った談笑となりましたが、思いがけず、スタッドレスに胡桃を入れた理由を問われました。実は20数年前、私は同期の北大教授を訪れ、偏光顕微鏡で見たアイスバーンの気泡をヒントにこの配合を開発した経過があります。千歳への車中で酒を飲みながら、気泡と同じサイズの異物の混入を思い付き、すぐ試作の電話をした事や、異物を胡桃粉に決めるまでの苦労話等を紹介し、こだわり屋同士で大層盛り上がりました。

この6月も元デザイナーのご夫婦と北欧旅行に行き、古い木造教会を見る予定で、版画を通じての新しい繋がりも楽しんでおります。

　　
　　２０１１年茨木市美術展　市長賞　版画　「アムステルダム運河」


　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　版画制作中の筆者


次回は同期47年組随一のエッセイストの久保池春雄さんにお願いします。